米国がエアバスにかかる関税を15%に引き上げ

銘柄分析・市場分析
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米国がEUから輸入する航空機にかかる関税を10%から15%に引き上げました。

これはもちろんエアバスを狙い撃ちにしたものです。

米国は2019年10月にエアバス製品にかかる関税を10%にしたばかりですが、それをさらに引き上げた形です。

この背景にはEUがエアバスに補助金を与え不公平な競争環境にしていることがあります。イメージとしては中国が中国企業を補助金や制度面で優遇するのと似ています。

具体的にはエアバスはEUから政府ローンという形で低金利ローンの優遇を受けており、そのおかげでエアバスがボーイングの脅威になっていると米国は考えています。

そして去年の10%の関税適用はWTOが米国の主張を正当なものとして認定し、お墨付きを与えたことがきっかけとなっています。

一方EUも米政府がボーイングに補助金を与えていると主張していますが、こちらはまだWTOに認定されていません。

エアバスはプレスリリースでこの関税引き上げについてとても残念だと述べており、2020年5-6月頃にWTOがEUが米国に報復関税を課すことを認定し、現在の状況が変化することを望むとしています。

・ Airbus deeply regrets USTR’s decision to increase tariffs on aircraft imported from the EU as well as the decision to maintain tariffs on goods from other sectors.

・ Airbus hopes that USTR’s position will change, especially when the WTO will authorize the EU to impose tariffs on Boeing aircraft, including the 737Max, 787 and 777 aircraft in the May/June timeframe.

https://www.airbus.com/newsroom/press-releases/en/2020/02/airbus-statement-on-ustr-decision–15-feb-2020.html

はたしてEUの米国政府がボーイングに補助金を与えているという主張は認められるのでしょうか?

ちなみにエアバスはその創立自体がボーイング1強をなんとかするためにと創られたもので、特にドイツ政府とフランス政府の手厚い援助によって成長してきました。それが未だに続いているのであればWTOが米国に関税を課すこと認めるのは当然とも言えます。

株価はボーイングが737MAX墜落事故を起こす直前の天井から比較すると、ボーイング(BA)が▲25%、エアバス(AIR)が+20%と、エアバスはおよそ45%もアウトパフォームしていました。

しかし上記の関税引き上げやコロナウイルス感染拡大などのニュースがあってからここ数日で10%もボーイングがアウトパフォームし始めています。

ボーイングの737MAX運航停止はボーイングの努力次第で解決できる問題であり、運航再開も今年の中頃と見通しが立っていますが、エアバスに対する関税は政治的なものなのでどうなるか分かりません。

いよいよ復活が見えてきたボーイングと、構造的な重荷を背負ってしまったエアバス、これからの株価パフォーマンスではボーイングに分があると私は考えています。

なおこのままボーイング株の上昇が続けば、以前魅力的と判断したタイミングがまさに買い場だったことになりそうです。

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