前回の米国家計の話の続きです。
米国の家計消費支出は米国GDPの70%弱を占めており、世界GDPの15~20%を占めているため、消費の動向が景気に大きな影響を与えます。
そんな米国家計の純資産は2018年第1四半期に100兆ドルを突破しました。
100兆ドルということは大体1京円ですね。
下記グラフはその1京円の内訳を示したものです。
ソース:https://www.federalreserve.gov/releases/z1/dataviz/z1/balance_sheet/table/より筆者作成
2007年~2009年のリーマンショック期を見ると、負債の大きさはあまり変わらず、株式と不動産を中心に家計純資産が大きく下落に転じて景気後退が起きていることが分かります。
ところが、純資産の減少にも関わらず預金は増えています。
家計純資産が減少すると消費者は財布の紐を引き締め、現金を貯め込むという行動を起こすのです。そして企業の利益も伸び悩み、企業が設備投資と賃金を抑えることで、さらに消費者の引き締めが強くなるという、景気後退のサイクルが始まるのですね。
翻って足元の数字を見ると、株式と不動産は絶対値で再び膨れ上がっているということが言えるでしょう。
一方下のグラフは、家計資産・負債の内訳を対可処分所得比率で4年ごとに表したものです。
ソース:https://www.federalreserve.gov/releases/z1/dataviz/z1/balance_sheet/table/より筆者作成
2006年のリーマンショック前には不動産資産と住宅ローン負債がかなり高くなっていることが分かります。そしてリーマンショック後の2010年には不動産資産比率の35%が失われ、大きな住宅ローン負債だけが残されました。
翻って2018年を確認すると、再び株式、不動産の比率は上がってきていますが(特に株式)、住宅ローン負債はデレバレッジが進み、低いままです。
つまり、仮に危機が起こるとしても、資産価格バブルであって、債務危機が起こることはなさそうだということです。
そういうわけで私は引き続き選別をしっかり行って割安と思われる銘柄に投資を行っていきます。