利益率というと粗利益率や営業利益率や純利益率などありますが、株の世界ではROICやROEが高くてすごい!ともてはやされることはあっても営業利益率が高い!ともてはやされることは少ないですね。いや、ありますが、相対的にの話です。
なぜ利益率よりもROE(Return On Equity)やROIC(Return On Invested Capital)の方が重要なのか説明します。
”あなたがあるビジネスに投資するとして、100万円の売り上げに対して10万円の利益が出るビジネスAと、100万円の売り上げに対して5万円の利益が出るビジネスB、どちらが買いたいですか?”
そりゃ10万円やろ!と思ったあなたはせっかちさんです。
問題に続きがあり、ビジネスAは100万円の投下に対して売上100万円が立ち、ビジネスBは100万円の投下に対して1000万円の売上が立つと見込まれます。
この場合、ビジネスAは100万円の投下に対して100万円の売上が立ち(資本回転率1倍)、そこから利益率10%なので儲けは10万円、投下資本利益率は10%です。
一方ビジネスBは100万円の投下に対して1000万円の売上が立ち(資本回転率10倍)、そこから利益率5%なので儲けは50万円、投下資本利益率は50%です。
どうです?ビジネスBの方が欲しいでしょう!
この投下資本利益率がROICなんですね。ここから借入をしてレバレッジを掛ければさらにROEを高めることができ、借り入れしなければROIC=ROEになります。
投資家としては投下した金額に対していくら儲かるかが重要で、売上高利益率はスタート地点が売上高なので、どれくらい資本回転率が効かせられるかという視点が抜けてる訳です。
だからROICやROEが重要なんですね。
では利益率は見る必要がないのかというとそうではなく、例えば外部環境が悪化して、ビジネスA、ビジネスBとも1%の値下げを余儀なくされたとします。
するとビジネスAは利益率が10%から9%に減るため利益が10%減少します。一方ビジネスBは利益率が5%から4%になるため利益が20%も減少します!
利益率が低いと外部環境の悪化に対して脆弱で、値下げとかのインパクトが大きいのです。
分かりやすい例では自動車セクターのような低利益率の事業では不況にかなり弱く、株価のボラティリティも大きくなり、借入金も増やしづらいのでROEを高めることも出来ません。
なぜROICやROEが重要か分かって頂けましたでしょうか。
また、利益率も外部環境の悪化に対する耐性という意味では重要ですね。
初心者の方の勉強になれば幸いです(^^)