世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者であるレイ・ダリオ氏が彼の相場観を語りました。
私がいくつか簡単にまとめると、
・現在の状況はリーマンショックというよりもスクイーズである。
・一定の債務が積み上がっているため、大きなスクイーズになりそうだ。
・現在は短期債務サイクルで見ると野球でいう7回である。
・中央銀行の緩和余地には限りがあるため長期債務サイクルで見ると後期にいる。
だそうです。
スクイーズとは引き締めのことでしょう。FRBが金利の引き上げと量的引き締めを同時に行っているので、ポートフォリオリバランス効果が逆流しているのです。
しかしリーマンショックの時と状況は異なると言っており、支払いがとても不可能な債務が積み上がっている訳ではないため、よりgradual(緩やかな)なものだと言っています。
これは私が以前記事にした日柄調整に近いのではないかと思います。
また、短期債務サイクルで7回目ということは9回裏までまだ余裕があると見ているのでしょう。長期債務サイクルで見ると徐々に最終局面に近づいていますね。
また、米中貿易摩擦がマーケットにネガティブなのはEPSに影響を与えるためその通りですね。
とはいえ米中貿易摩擦で漁夫の利を得るポジティブな会社も多いんじゃないでしょうか。グローバル企業は当然ダメですね。
私の認識は、
・個人投資家は税金と売買手数料で不利なので、よほど下落を見込んでないと売買するべきではない
・日柄調整となるならば売る意味はない
・債務危機でない環境では仮に急落しても短期で回復すると考える
・米中覇権戦争の被害を受ける企業からは離れた方がいい
です。
勝ち負けがはっきりして面白いんじゃないでしょうか。
企業債務はリーマンショック前並みに積み上がっている一方家計は健全化しているので、債務の拡大余地は家計にあります。
そのためBtoBよりもBtoCのビジネスに投資妙味があるでしょう。
BtoBでも米中貿易摩擦で漁夫の利を得られる銘柄も良いと思います。
S&P500全体で言えばForward P/Eは足元14.9倍なので、過去5年平均の16.4倍、過去10年平均の14.5倍と比較して見るとバリュエーションは中立くらいに戻ってきたのではないかと思います。
2019年は業績相場になるでしょうか。