JPモルガンCEOのジェイミーダイモン氏はビットコインが80%下落しても満足できないそうです。
<Jamie Dimon predicted bitcoin’s nosedive, but isn’t celebrating it>
ビットコインのチャート
ダイモン氏は以前から仮想通貨を詐欺と批判しており、たったの80%下落ではなく価値がゼロにならないと満足出来ないのでしょう。
この記事を書こうと思ったのは下記のリツイートが流れてきたためです。
私の出身母体であるJPモルガンのダイモンCEOが「ブロックチェーンは本物」と再評価したとのこと。彼はかってビットコイン懐疑派の急先鋒だったが180度意見を修正した。ご存知かと思うが、JPモルガンは世界のトップ銀行であり、ダイモン氏は金融界の大論客で名が通っている。https://t.co/WlZo2u1wbQ
— 藤巻 健史(経済評論家・参議院議員) (@fujimaki_takesi) January 24, 2019
ダイモン氏がビットコインを評価しているかのように書かれておりそんなバカなと思ってソースを確認すれば、相変わらずビットコインは詐欺という評価で、ブロックチェーン技術だけを評価していました。
つまりこのツイートは完全に逆を行っているのですが、この方色々と大丈夫でしょうか。
ところで、仮想通貨に投資している方はその仮想通貨がいずれ普及して法定通貨に置き換わることを期待しているのだと思いますが、本当にそうなるでしょうか?
貨幣が貨幣であるためには3つの条件1.価値の単位、2.交換手段、3.価値の保蔵手段を満たす必要があると言われています。ビットコインも一応3つとも満たしていると言えなくもないでしょう。
しかし、カリフォルニア大学バークレー校で学び、元同志社大学大学院ビジネス研究科教授であった山口薫氏は著書公共貨幣の中でこう批判しています。
”物々交換から3つの経済的機能を物理的に有する金や銀の商品貨幣が抽出されてきたというのは、貨幣を歴史から学ぼうとしない、怠慢な経済学者が頭の中でひねり出した虚構なのである。”
そして下記のアリストテレスの定義を引き合いに出しています。
”古代のギリシャでは、MoneyはNOMISMAと呼ばれていた。貨幣としての権限(Authority)は法律(Nomos)によってのみ与えられたからである。ギリシャの哲人アリストテレスは、貨幣を以下のように端的に定義した。
そして貨幣はノミスマ nomisma という名前を持つようになる。なぜならば、貨幣は自然にではなく法律 nomos によって存在するようになるからである。”
つまり、3つの機能があるから貨幣になるのではなく、法律によって貨幣となり、3つの機能を有するのです。
いかがでしょうか。
仮想通貨は法律による承認という、通貨として最も重要な部分が欠けているのです。
法律によって決済手段として拒否できないことを強制通用力と言いますが、そもそも強制通用力が付与されていない仮想通貨が決済手段として普及するとは思えませんし、もし法律で貨幣と認められる新たな仮想通貨が登場すれば、既存の仮想通貨の価値は無に帰すのではないでしょうか。