米国製造業に明るい兆しが見えたようです。
米国の2020年1月ISM製造業景気指数は50.9と景気拡大を示す50を2019年7月ぶりに超えました。

中身を見ると、新規受注が47.6→52.0、生産が44.8→54.3、輸出受注が47.3→53.3と需要関連の指標が大きく改善しています。
米国と中国が通商交渉の第1段階の合意を行い、米中経済貿易協定の署名をしたことが好感されているほか、半導体などのハイテク機器の景気循環が上向いていることで、企業へのアンケートであるISMも上向ています。
ただしこちらは中国初の新型肺炎の感染拡大の影響を受ける前の結果となっています。足元のニュースでは感染拡大を受けて世界各国は中国への渡航禁止、サプライチェーンの乱れが目立つほか、高級雑貨店、レジャー関連などは客足が遠退き、資源関連価格は急落しています。
ギリアドの抗エボラ出血熱向けの薬が新型コロナウイルスに効き目があったとの報道でマーケットはかなり強気に傾いていますが、マイナスの影響がゼロにはなってもプラスにはならないことに注意が必要です。
コロナウイルスの感染拡大防止策は明らかに企業収益にはマイナスの影響でEPSを押し下げることは間違いないでしょう。
それに対して株価は全く下げていないためPERはさらに拡大すると思われます。
製造業に明るい兆しが見えたとしても、それ以上にバリュエーションは高いので、今の株価は魅力的には見えません。
この水準からさらに上げるのであればそれはもうバブル相場でしょう。
どこまで上げるか分からないため保有株はそのままに、新規投資を控えて安くなった銘柄を拾いにいく戦略を継続します。