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中国ZTEが制裁猶予措置に違反で再び急落:米国から制裁を受けた株の末路

中国2位の通信機器メーカーZTEが制裁猶予措置に違反したとして、米国からの監視期間2年延長を食らいました。
米連邦地裁、ZTEが猶予措置に違反したと判断 監視人任期延長 | ロイター

元々ZTEは米商務省から対イラン制裁措置に違反してイランに米国製品や技術を輸出していたとして、2018年4月16日に米企業からの部品調達を7年間禁じる制裁を課されていました。

ZTE製スマホの部品数の約3割は米企業のインテルクアルコムのもので、実質的な米国市場からの締め出しと言えるこの制裁を受け、ZTEは主要業務の停止に追い込まれ、当時はそれを受けてZTEの株価は半分吹き飛びました。

 

実際にZTEは過去7年に渡ってイランや北朝鮮にダミー会社を使うなどして米国製品を含む通信機器を秘密裏に売却してきたようです。

ZTEの年間売り上げは2017年で1000億元(約1.6兆円)、160カ国に74,000人もの従業員を抱える大企業で雇用などに非常に影響が大きいことから、議会(共和・民主両方)の強い抵抗を受けながらも、トランプ大統領主導で制裁金合計14億ドルの支払いや、経営陣の刷新などと引き換えに米商務省と和解し、制裁を解除してもらっていました。

ところが、イランへの輸出に加担していた社員35人の処分に関して、ZTEが米政府に虚偽の報告を行っていたことが明らかになり、制裁解除の条件である米国の監視担当者を社内に置く期限が2020年から2022年に延長となりました。

これを受けて株価は足元15%程度下落しています。制裁を食らった時のインパクトと比べると微々たるものですが。


日経新聞によると、ZTEの2017年のスマホ世界出荷台数は約4300万台で世界シェアは9位。7割は海外向けで、特に米国が2100万台と約半分を占めます。米国シェアは約12%とみられ第4位にもなります。
また、ファーウェイ(華為技術)とZTE(中興通訊)は企業別特許出願件数で世界1,2トップの企業でもあります。
2017企業別特許出願件数
出所:日本経済新聞

 

米国と中国の貿易戦争が過熱していますがその全体像は覇権を巡る戦いであり、IT覇権も含まれます。

ZTEは米国内の通信機器にウイルスを仕込んだ疑惑も持たれており、米国の政府職員、軍人、警官などの政府系職員はZTEとファーウェイのスマホ、パソコンなどの使用が禁止され、オーストラリアからも5G回線からの締め出しを食らうなど、どんどん市場から追い出されています。

米中の覇権戦争が続く限り、こういった米国からの攻撃はZTEだけに限らず、今後多くの中国企業に対して行われていくでしょう。

中国株を保有している人はよく気をつけた方が良いと思います。

私なら米国売上比率の高い中国株への投資は控え、狙うなら内需関連銘柄にします。