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PERからEPS成長率の織り込みを見る方法

 
この記事は「PERは割高割安という意味ではない」の続きです。

 
上記事では、
・PERに割高割安という意味はない
・PERはマーケットが織り込むEPS成長率予想を知るために使う
・割高割安は織り込まれたEPS成長率予想を会社が超えれるか判断しないといけない
と言った内容でした。
 
それでは早速、PERからマーケットが織り込むEPS成長率予想を知る方法を説明します。
 
株価は将来の利益を現在価値に割り引いたもの、というのは何度も言っていることですが、EPSが毎年一定の成長率gで成長していく会社の株価は、
\[P=\frac{E}{r-g}\]
P:株価
E:翌年のEPS
r:割引率
g:マーケットが織り込むEPS成長率 
で表されるので、この式を使います。
 
これは、
\[P=\frac{E}{1+r}+\frac{E(1+g)}{(1+r)^2}+\frac{E(1+g)^2}{(1+r)^3}+・・・\]を計算したもので、初項E/(1+r)、等比(1+g)/(1+r)の無限等比級数ですね。高校生で習うあれです。
 
上記式を変形すると、
\[g=r-\frac{1}{P/E}\]
こうなります。
ところで、下記の記事では、米国株の割引率はおおむね10%だという話をしました。

なので米国株は大体10%で割り引かれていると考えて、

\[g=10%-\frac{1}{P/E}\]

これで、成長率とPERの関係が導き出せました。
PERが高いほど、EPSの長期成長率gは高くなり、10%に近づいていくという式になっています。
 
実際に計算してみましょう。
AmazonのForward P/Eは77倍なので、翌年(2019)のEPS予想25ドルは翌年以降8.7%(g=10%-1/77)で成長していくことが織り込まれています。
・VisaのForward P/Eは27倍なので、翌年(2019)のEPS予想5.3ドルは翌年以降6.3%(g=10%-1/27)で成長していくことが織り込まれています。
・SkechersのForward P/Eは14倍なので、翌年(2019)のEPS予想2ドルは翌年以降2.9%(g=10%-1/14)で成長していくことが織り込まれています。
 
出来たでしょうか?
10%からPERの逆数を引けば、マーケットの織り込む翌年以降のEPS成長率が計算できるのですね。
 
Forward P/EはYahoo Financeで銘柄を検索し、Statisticsタブを選択すると見ることが出来ます。Analysisタブでは予想EPSを見ることが出来ます。
織り込まれた成長率が低すぎると感じればその銘柄は買いです。
  
注意点としては、これはEPSが翌年以降毎年一定の成長を続けるというとても単純なモデルを使っているので、EPSのブレが大きな銘柄などには当てはまりが悪いということです。また、割引率10%を超える成長率は計算できません。まあ、永遠に10%以上成長できる銘柄は存在しないと思いますが。
分子はEではなく、配当ではないか?と思われる方もいるかも知れませんが、株価モデルは配当割引モデルだけではありません。私は利益を配当と内部留保に分ける意味はないと考えているので分子にEPSを使います。バフェットと同じです。
 
以上、簡単にPERからEPS成長率の織り込みを見る方法をご紹介しました。
\[g=10%-\frac{1}{P/E}\]
10%からPERの逆数を引けばいいのですね。安定成長銘柄には特に使えると思います。
後は自分でその銘柄がどの程度のEPS成長率を達成出来るかを予想し、マーケットの織り込み成長率が低すぎる!と思った株を買えば良いのですね。
 
バリュエーションの見極め方は色々あるので、今後も紹介していきたいと思います。