アーティスティック・インベストメント・ストラテジー

サラリーマン投資家が知るべき米国株式投資、最新ファンダメンタルズ情報、国際政治、資本家マインドなど




米国が2000億ドル規模の対中関税発動秒読み前、中国のしっぺ返し戦略

いよいよ米国が中国からの輸入品2000億ドル相当に関税を課すようです。
”米政府は9月6日まで企業など公の意見を募っている。協議が非公開であるために匿名を条件に話した関係者によれば、大統領はこの期限が過ぎ次第、関税を発動する計画だ。”
 米国株を見ると高値圏に張り付いており、注意が必要ですね。
 
それにしてもなぜ中国は報復関税をやめないのでしょうか?
これは中国が南シナ海でもやっている「しっぺ返し戦略」というもので、ゲーム理論囚人のジレンマにおける戦略の一つです。
 
しっぺ返し戦略は寛容な戦略と言われており、まず初めは協力的な態度を取り、それ以降は相手が協力的であればこちらも協力する。相手が非協力であればこちらも非協力を出すという戦略です。要するに引き分けを狙う戦略ですね。この引き分けを狙う戦略というのが実は一番強いというシミュレーション結果が出ているのです。
 
ミシガン大学政治学者であるロバート・アクセルロッドが1980年に「繰り返し型の囚人のジレンマ」でコンピュータプログラムを募り、総当たりで勝負させるという大会を開いたのですが、14のプログラムが参加した大会で勝利したのが、心理学者アナトール・ラポポートが考案したこのしっぺ返し戦略だったのです。

現実のしっぺ返し戦略では、もし裏切ればすぐにどでかいしっぺ返しがくるぞという意識を植え付けることが戦略の肝になります。こちらが非協力的な態度をとればすぐに中国は何かしてくるのではないかと考え、いずれお互いに協調する状態で安定するのです。

しかしこれは相手と力や損得が対等であるというゲームの中の話で、相手の方がちっぽけならしっぺ返しは怖くないですね。
つまり、中国は既に米国と対等であるのだから、しっぺ返し戦略が通じる、という意識なのでしょう。
 
とはいえ実際には米国が勝つでしょう。しかし、本当の問題はこのやり方によって米国が孤立してしまうことなのです。
本当は皆で中国の不公平な貿易慣行を是正しようと一致団結するのが正しいのですが、中国の市場の大きさに目がくらんでしまっているか、チャイナロビーに骨抜きにされているのですね。
中国が現在の中華思想、不平等貿易慣行を維持したまま軍事力世界1位になったら世界がどうなってしまうか、よく考えないといけませんね。