アーティスティック・インベストメント・ストラテジー

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米国株価急落でもパニックになるな!すぐには止まれないFRBの金融引き締めを冷静に受け止める

10日の米国市場はダウ、SP500ともマイナス3%超、ナスダックはマイナス4%と急落しました。

FRBは粛々と量的金融緩和の巻き戻しをしており、米国の長期金利が2011年ぶりに3.26%にタッチしたあとの出来事です。

 

皆さんご存知の通り、FRBの金融引き締めによって新興国株式は既に大きく下げており、先進国株式市場も小型株は下げていました。

また大型株のS&P500にしても既に量的緩和縮小の影響が出ていたことは以前お話しした通りです。

今回の急落は量的緩和縮小の影響がついに米国の大型株式にまで到達したということでしょう。

FRBはバランスシート縮小のペースを3か月ごとに100億ドル増加させ、今月の10月から最大の月間500億ドルペースで縮小させています。

FRBが量的質的金融緩和を行った時、国債の利回りが押し下げられることによって、市場の資金はイールドを求め、国債→適格社債→ハイ・イールド債→先進国株式→新興国株式といったように資金が流れ込んでいましたが、現在はそのポートフォリオリバランスの逆回転が起きている訳です。

 

しかし投資家はこのような急落でパニックになってはいけません。

2000年に崩壊したITバブル、2008年のリーマンショックといった過去2回の下落相場を振り返れば、足元の環境は明らかに異なります。

まずITバブルの時の翌12か月PERは25倍もあり、バリュエーションがバブルでした。また、リーマンショックでは民間セクターが大きな債務バブルを抱えており、その解消のためにEPSが大きく毀損しました。

翻って足元の米国市場のバリュエーションは翌12か月PERで16倍程度と、平均よりはやや高いですが過熱してませんし、企業部門は微妙ですが、家計は大きな債務を抱えていません。よってバリュエーションもEPSも底堅いと予想されます。

つまり、これから起こる調整はFRBの緩和縮小と金利上昇に伴うバリュエーションの訂正であり、実体経済というよりも、FRBの問題が大きいです。

10日の急落時点で、今のレベルのFRBの利上げ、量的緩和縮小にマーケットは耐えられないことが判明した訳ですが、実態経済は好調ですし、この程度の下落ではFRBのような官僚的な組織がすぐに止まることは出来ないでしょう。

引き締めに耐えられないマーケットと止まれないFRBの組合せによって、しばらく辛抱の時間が続く可能性が高いと考えています。

しかし、元々暴落のエネルギーが溜まってないことや、インフレも高まらず、FRBの引き締めもそろそろ限界が見えていることで、中長期投資家としては手持ちの株を手放してまで下落方向に賭けるのは得策ではないでしょう。

逐次買い増しを行うサラリーマン投資家としては、しばし追加投資を待って、FRBの引き締め態度が軟化した時から買い増しを再開すれば良いのではないでしょうか。