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米国企業の2018Q3決算シーズン、決算進捗率17%までの集計結果

米国ではいよいよ2018Q3(2018年7月~2018年9月)の決算発表シーズンが始まりました。

足元の集計結果からの印象は、総じて無難不動産セクターの苦戦が目立つBeatしても強くない来年以降の利益の頭打ち感に不安を覚える、といったところです。

米国を代表するS&P500構成銘柄の決算発表の進捗率は17%で、全体のおよそ6分の1の企業の決算発表が終わりましたが、まだまだこれからですね。

 

Factsetの集計によると、S&P500構成銘柄の発表済み決算のうち、80%が予想をBeat、10%がIn-Line、10%がMissしました。これは過去5年平均のBeat率71%を上回っています。

一方、どのくらい大きくBeatしたかの業績サプライズ幅は+3.9%と過去5年の+4.6%を下回っています。サプライズが小さいという事は、株価は利益成長を織り込んでしまっているため、金利上昇の影響を受けやすいということです。

また、セクター別にみると、不動産セクターの苦戦が目立ちます。FRBの利上げによって住宅ローン金利が上昇し、住宅販売件数、販売価格ともに軟調となっているためです。住宅販売全体の9割を占める中古住宅販売件数は完全に減少に転じています。とはいえ、これは予想されていたことですね。

業績サプライズでは9月に新設されたばかりのコミュニケーションサービスセクターが突出して高くなっていますが、ネットフリックス(NFLX US)などにけん引された形です。

発表済み決算のうち、EPSがBeat、In-Line、Missした割合(セクター別)
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発表済み決算のうち、EPSの業績サプライズ幅(セクター別)
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米国の中古住宅販売件数及び住宅着工件数 
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出所:日経新聞

 

利益率はトランプ減税の効果もあって概ね上昇しています。しかし、唯一不動産セクターだけは低下しています。
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まだ決算発表の進捗率は17%ですが、総じて問題ないが、特に驚きもない決算であり、業績サプライズによってぐいぐいと株価が上昇するシーズンを期待するのは難しそうです。

 

2018年も残すところあと1四半期となり、そろそろ2019年の収益に目が向けられる頃ですが、2019年の見通しはあまり良くありません。

2018年には20%のEPS成長が予想されていましたが、2019年の予想EPS成長率は10%です。特に2019年前半は6~7%程度の成長しか見込まれていません。

一方Forward PERは15.9倍と過去10年平均の14.5倍を上回っています。

過去10年と言えば下のチャートの期間ですが、足元の米国10年国債利回りは明らかに過去10年平均を上回っています。

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過去10年の平均Forward PERが正しいとすれば、現在は過去10年平均より金利が高い分、①市場のバリュエーションが間違っており、低いForward PERがこれから付与されるか、②過去10年のEPS成長率を上回る成長をこれからするか、③株式のリスクプレミアムが低下しているか、のどれかです。

①が起こればForward PERが15.9から14.5に低下するので株価は10%下落します。

②は分かりませんが、世界全体ではリーマンショック以降債務が拡大しているため、なかなかハードルが高いのではないかと思います。

③はFRB量的緩和政策の影響で株式が割高に評価されている可能性はあります。しかしFRB量的緩和政策を縮小するのであれば、③はニュートラルとなり、①という結果になるのではないでしょうか。

いずれにせよFRB量的緩和政策のおかげでバリュエーションは少し高めのようです。

しっかりと選別するか、そうでなければ辛抱が必要になるかも知れません。

ちなみに私が紹介したスケッチャーズ(SKX US)の決算は良好で、一時20%の急騰を見せてくれました。個別銘柄の分析の仕方として参考にして頂ければと思います。

・スケッチャーズ(SKX US)の2018Q3決算:株価は一時20%の急騰

・金利1%上昇で株価は何%下がるのか?

・米国株価急落でもパニックになるな!すぐには止まれないFRBの金融引き締めを冷静に受け止める