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スケッチャーズ(SKX US)の2018Q3決算:株価は一時20%の急騰

スケッチャーズは約1か月前(9月24日)に@$26~27で買いと判断していましたが、2018Q3決算発表を受けて株価は一時20%急騰しました。

 

スケッチャーズの2018Q3決算
・売上高 予想$1.22Bに対し、$1.18BとMiss
・EPS 予想$0.51に対し、$0.58とBeat
・Q4ガイダンス 予想売上$1.08B、EPS$0.17に対し、売上$1.1~1.13B、EPS$0.2~0.25とBeat

売上は国内ホールセールが原因でミスりました。しかし元々四半期ベースではボラのあるビジネスであり、Q4ガイダンスが強かったので、通期で見ると問題ありませんでした。

EPSのBeatは管理費減少が主因ですがアナリストの予想が保守的過ぎました。ラッキーと思っておきましょう。売上成長の減速に合わせて支出も抑えたようです。しかしそもそも支出がコントロール出来るのは私の予想通り、管理費の増分はコストではなく投資だからなのでしょう。

ガイダンスは売上、EPS、内容もすべて強かったです。また、引き続き投資を続けるとのコメントがあり、以前のコメントも踏まえるとあと2年くらいは管理費が利益を圧迫すると考えられます。

自社株買いは$40miで140万株(発行済み株式数の0.9%相当)、1株当たり$28.6で実行されました。自社株買いプログラムは残り$92milあります。

 

既存店売上高についてもコメントがありました。
会社保有のグローバルリテールの既存店売上は+1.9%yoy(US+3.0%、Int'l▲0.8%)と強弱ありました。Int'lはEU、カナダ辺りが軟調のようで為替もマイナス要因です。ガイダンスはプラス転換だったのでタイミングの問題なのかも知れませんが強くはなさそうです。

関税についてもコメントがありました。
今のところスケッチャーズの製品は直接的に関税の対象にはされていません。既に中国製品には2500億ドル相当に関税がかけられていますが、スケッチャーズが直接影響を受けるとすれば最後の2670憶ドル相当に関税がかけられる時です。スケッチャーズは製品の半分以上を中国で生産していますが、今後の関税動向にかかわらず、生産地は分散させていくとのコメントがありました。

 

以上簡単にレビューしましたが、今回の決算は売上をミスったのに管理費が抑えられ利益が高かったこと、ガイダンスが強くQ3,Q4通期で見れば売上も問題なかったことが好感された理由かと思います。

引き続きスケッチャーズへの評価は変わりありません。EU辺りの既存店売上のみやや不安ですが、ガイダンスは総じてかなり強いと言っていいでしょう。

また、好決算の主因である管理費が抑えられたことは「管理費はただのコストではなく投資である」という私の予想を強化してくれました。

さらに、自社株買いが$40mil実行されましたが、元々自社株買いプログラムは3年間で$150milだったので私は1年で$50milと想定していたため、積極的に自社株買いプログラムを消化する姿勢であったことはかなりポジティブでした。残り$92milが消化される頃には次の自社株買いプログラムが検討されるのではないかと思います。

投資テーマについて、これまでの経営陣のコメントから、あと2年程度は管理費は高止まりすると思われますが、私は管理費の中身が先行投資であると考えており、どこかのタイミングで売上に占める管理費の割合が縮小し、営業レバレッジがプラスに転換、利益が大きく上昇していく局面がくると考えています。
スケッチャーズはこれまで管理費の増加によって逆営業レバレッジがかかっており、売上の増加にも関わらず利益が減少し、株価は低い評価を受けていました。しかし管理費用と誤解されている中身は先行投資であり、本来低評価の理由にならない、マーケットはそれを織り込めていない。これが私の主な投資テーマです。

 

ところで投資コミュニティサイトのSeeking Alfaにこんなコメントがありました。

”Doesn't seem a good report.Comps are going down, especially international. Rev guidance is just push-n-pull from missing this quarter.If retail isn't stronger now, I wonder when will it be"

筆者訳 ”良くないな。既存店売上も特に海外で下がっている。売上ガイダンスが強いのはQ3でミスした分がQ4に入っているだけ。もしリテールがもう強くないなら、そうなるのはいつ頃だろう・・"

全く同じ決算を見てるのにこうも評価が異なるのは面白いですね。私が過去の経緯とこれからの予想、競合他社とのバリュエーション比較を踏まえているのに対し、このコメント主はこの決算に書いてある前年比伸び率くらいしか見ていません。どちらが正しいかは株価が物語っています。

個別銘柄で勝つためにはマーケットの間違いを間違いと認識することも大事ですが、マーケットの正しい反応を正しいと認識することも大事なのです。

 

引き続きスケッチャーズはレビューを続けていきますが、まだガイダンスによって改善の見込みが立ったに過ぎません。

先行投資(といっても管理費用に計上されている)が一服し、実際に営業レバレッジがプラスになり、売り上げと共にEPSが伸びていけばこんなものではないでしょう。

どのように変化していくか、今後もレビューしていきます。

スケッチャーズ(赤)、ナイキ(黒)、アディダス(グレー)、SP500(オレンジ)