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パウエルFRB議長がハト発言、レーガンの帝国主義的循環は既に終了している

パウエルFRB議長がハト姿勢を打ち出しました。

WSJによると、インフレ率が低いため無理に利上げをする必要がなく、柔軟な政策決定が可能だそうです。

さらに、バランスシート縮小政策の転換可能性についても言及しました。

やはり前回のFOMCでの利上げはハトと捉えて正解だったのでしょう。

<参照:パウエルFRB議長「今年は柔軟な政策決定が可能」 - WSJ>

 

ところで私のブログでは、米国は「レーガン帝国主義的循環」状態にあると書いてきました。

レーガン帝国主義的循環とは、著名投資家のジョージ・ソロス氏が「新版 ソロスの錬金術」の中で述べている表現です。

この循環では、米国の強い経済が外国から資金を引き寄せ、ドルが強くなり、強いドルは輸入を拡大させて需要を満たし、インフレ率も低位に留める。強い経済、強いドル、巨額の財政赤字、巨額の貿易赤字が循環的な自己強化プロセスを辿り、インフレなき成長をしている状態です。

しかし強いドルは徐々に経済を冷やしますし、巨額の赤字はドルを弱くし、金利上昇にも繋がるのでやはり経済を冷やします。

ですからこの帝国主義的循環は内的矛盾を抱えており、持続不可能であるため、まさに米国の覇権が体現されている時にしか見られません。

実際1981年からのレーガン政権前半では、レーガノミクスによってこの帝国主義的循環が見られましたが、後半に入ってプラザ合意に代表される強烈なドル安円高になり、持続不可能なほど強くなったドルが調整されたのです。

 

ちなみに過去記事で紹介しましたが、パウエル議長は2018年10月に足元の環境のことを類い稀な時代と表現していました。
・パウエルFRB議長「米国経済は類い稀なる時代」(2018/10/4)

今回のハト発言は、そのパウエル議長が金融政策について慎重になったということなのです。

米国政府の立場で考えれば、強いドル、強い経済、巨額の財政赤字、どれが一番大事かというと、当然強い経済になるかと思います。

つまり、レーガン帝国主義的循環は持続不可能なので、強いドルを諦める。するとドル安で経済を下支えすることができ、財政赤字の改善も見込めるということです。

私の2019年の見通しで、「株は日柄調整から上昇」とした一方で「ドル安円高」を予想しているのは、健全な家計を前提に上記をイメージしています。

米国がくしゃみをすると日本は風邪を引くというのは、米国がくしゃみをした時にドル安円高を望むからなのです。

(関連記事)
・2019年の相場見通しとブログ記事について(2018/1/2)
・米国が円高ドル安を望む瞬間:財政赤字とインフレに対する危機認識の変化点(2018/11/21)