コロナと原油暴落がクレジット市場に波及、市場は何に怯えているのか?今後の楽観シナリオと悲観シナリオの分かれ目とは?

銘柄分析・市場分析
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株式、国債、原油、クレジットと市場が混乱しており、ニュースも多いので、現状で何が起きているのか整理し、今後のシナリオについてまとめました。

現状整理

まず株価のチャートは下記の様になっています。

高値から一時27%下落しており、暴落といって良いでしょう。

実はこの下落は、3月9日を境に2段階に分けることが出来ます。

3月9日を境に下落の質が異なる

なぜ3月9日で分けるのか? クレジット市場(社債市場)を見てみましょう。

利回りが上昇し続けるダブルB格社債(ハイ・イールド)
3月9日から利回りが反発するトリプルB格社債
3月9日から利回りが反発するトリプルA格社債

社債利回りが上がるということは、社債が売られているということです。上グラフの様にBB格社債(ハイ・イールド債、ジャンク債とも呼ばれる)は最初の株価下落の時からずっと売られていた一方で、BBB以上の投資適格社債は利回りが低下していました、むしろ買われていたということです。

それが3月9日を境に一様に売られ始めているのです。

補足説明すると、BBBまでは投資適格(Investment Grade)、BB以下は投機的で、ハイ・イールド債やジャンク債などと呼ばれます。

BBB未満になると投機的(ハイ・イールド、ジャンク)になる
出所: https://www.daiwa.jp/seminar/study_products/bond_special/rating.html

株が売られると債券が買われると言われますが、この債券というのは正確には国債のことです。社債は株式よりも安全性が高いものの結局会社に投資していることには変わりないので、会社の倒産リスクが上がれば株と共に売られます。

では3月9日に何が起きたのか?

原油のチャートを見てみましょう。

3月9日にサウジアラビアの大幅増産報道で暴落する原油市場

3月9日に見事に暴落しています。そう、原油です。原油が暴落したことで一気にリスクが上昇し社債も売られ始めたということです。

暴落の理由はサウジアラビア率いるOPECとロシアの協調減産交渉が破談し、サウジアラビアが増産に転じたことですが、詳しい経緯については下記ツイートをご覧ください。

原油暴落の何が怖いのか?

今のWTI価格は30ドル前半となり、明らかにシェール業界の損益分岐点を割っています。これによってエネルギー業界のデフォルトが増える→銀行が損失を出す→銀行の貸出が引き締まる→全業界が引き締めの影響で借り入れを増やせなくなる→全業界で不景気、リセッションということが懸念されているのです。だから投資適格の社債まで売られだしたのですね。

では社債市場はどの程度リスクを織り込んでいるのでしょうか。

ハイ・イールドの対10年国債利回りスプレッドは2015年のチャイナショックに迫る

上グラフはハイ・イールド債と10年国債利回りのスプレッドですが、2015年のチャイナショックに迫る勢いであり、リセッションを織り込むレベルになっているように見えます。

一方、10年国債利回りは当時よりもかなり低下しているため、絶対値ベースのハイ・イールド債利回りはまだ2018年末のピークレベルです。2018年末はリセッション懸念ではなくFRBの金融引き締めが原因であり、2015年のようなリセッションを織り込むというレベルではないです。

ハイ・イールド債利回りは絶対値で見ればまだ低い

また、投資適格級の社債利回りに至ってはかなり低く、企業にとって相当緩和的な環境です。

投資適格社債利回りは相当に低い

つまり、原油暴落の3月9日以降リセッション懸念が高まり社債が売られ始めているものの、水準的にはまだ本格的にリセッションを織り込むほどではない、逆に言えばさらにリセッションが懸念される局面となればまだまだ下落する余地は残っているということです。

長くなりましたが現状をまとめると、

①当初コロナで株価は下落していたが、格付けの高い社債はむしろ買われていた。
②原油が暴落した3月9日以降は格付けの高い社債まで売られ始めており、企業への投資全体から資金が引き上げられ始めた。本格的なリスクオフの局面。
③ただし社債利回り水準を絶対値で見ればまだそれほど売られておらず、下落余地は残る。

ということです。

今後のシナリオ~楽観から悲観まで~

今後のシナリオはコロナと原油の動向次第ですが、それぞれ分けて考えます。

まずコロナについては楽観的に見ています。

感染者数はあと2週間程度で世界的にピークアウトすると思われます。

下記グラフは各国の感染者数の伸びを100人目から数えたもので、伸び率33%で直線になる対数グラフになっています。

15日目で感染者数の伸び率がピークアウト

これを見ると各国似たような伸び率になっており、概ね15日を過ぎれば感染者数の伸び率が減速していきパニックが落ち着いていきます。

米国はまだ拡大局面ですが、2週間もすれば減速局面となり、パニックは収まるでしょう。

また、コロナの致死率は40代以下は0.数パーセントと若い人にはあまり脅威ではありません。

そして薬はいつできるのかというと、下記記事によれば数か月以内、ワクチンは1年程度で出来るということです。

「成し遂げよ」、トランプ大統領が製薬会社に指示-新型ウイルス巡り
トランプ米大統領は2日、新型コロナウイルスの新薬を巡り製薬会社幹部と会合を持った。また、今週中に連邦衛生当局を訪問することも明らかにした。新型肺炎対応に自身が積極的に関与していることを示す狙いとみられる。

上のグラフの様に薬がない状況でこの程度の致死率ですから、 薬が完成する前でも臨床試験で良い結果が出たなどのニュースだけでコロナは忘れ去られていくでしょう。

よってコロナは短期的なテーマであり、その短期に耐えられない企業が問題になります。特に航空業界、クルーズ、ホテル関連などはかなり厳しいです。これらの業界から倒産、雇用悪化が生じると全体に波及する懸念があります。しかし航空業界などは財政支援を受けられることが見込まれ、コロナ収束後のペントアップ需要も考えればここが震源地にはならないと考えています。

米主要3航空会社、支援巡り政府と協議 新型コロナで打撃
新型コロナウイルスの感染拡大で航空各社が大きな影響を受ける中、米デルタ航空とアメリカン航空、ユナイテッド航空は13日、政府支援を巡りホワイトハウスと協議していると明らかにした。

以上より、コロナは短期テーマ、買い場を提供するだけ、コロナ収束後は元に戻ると整理しています。

一方原油ですが、こちらは下落の要因がサウジアラビアの政治的なものなので、いつ収束するか分かりません。原油価格低迷が長期化すればどこかのタイミングでエネルギー業界の倒産とリセッション懸念が出てくるでしょう。

コロナはそのうち収まりますが、原油は分かりません。だから原油がシナリオの分かれ目になります。

よって今後のシナリオは下記のようになります。

・楽観シナリオ コロナは時間と共に忘れ去られる。企業の短期資金繰りは財政支援で支えられ、雇用は悪化しない。原油価格はサウジが増産を止め元に戻る。株価は低金利とペントアップ需要で急上昇。株価は既に底打ちしている。

・普通シナリオ コロナは時間と共に忘れ去られる。 企業の短期資金繰りは財政支援で支えられるが、雇用など多少悪化。原油価格は低迷を続け、エネルギー企業が倒産。エネルギー業界の不況が全体の足を引っ張る。株はまだ下げ余地はあるが底は浅い。コロナが収まれば上昇するが原油が戻るまで弱い上昇。

・悲観シナリオ コロナは時間と共に忘れ去られるが、長期化。財政支援が行われず企業がバタバタと倒産し雇用悪化。原油価格低迷は長期化し、エネルギー業界も破綻。信用収縮によりリセッション突入で株価はさらに暴落。

私はずっと買いを控えていましたが、楽観シナリオの可能性も考えて少しだけ底で買っています。たまたま刺さっただけですが笑。その後トランプ大統領の非常事態宣言で9%も反発したのでまた下がってくれるか心配しています。

シナリオの分かれ目は原油です。私はコロナと財政支援については楽観的にみており、原油価格だけが心配の種になっています。コロナは間違いなく時間の問題なので、原油価格が上昇すればすぐにでも全力で買い向かう予定です。

ちなみにツイッターを見ていると1,2月の高値の時に買えてたのに、この安値局面では買わずに底を探っている行動が見られます。高い局面と安い局面それぞれで安値を探っているのです。しかしそうすると高い時に買って、現在の安値は逃す可能性があります。私の場合1,2月の高値局面では絶対に買いませんが、30%近くも落ちていれば今が底値ではないとしても少しずづ買っていきます。その方が安値を逃す心配がないからです。

大局的に考えれば、その方が合理的ではないでしょうか。

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