資産運用会社最大手のブラックロックがマイナス利回りの債券は投資対象として危険だと警鐘を鳴らしました。

ブラックロック、マイナス利回り債に警鐘-今年のプラスリターン困難
運用資産最大手の米ブラックロックはマイナス利回りの債券について、投資対象として危険だとあらためて警鐘を鳴らした。
ブラックロックによるとマイナス利回りの資産が2020年にプラスのリターンを生み出すのは極めて難しいとのこと。財政・金融政策の後押しでインフレと成長が促されるとし、マイナス利回りの債券全体がマイナスリターンになると見込んでいます。
マイナス利回りという事は満期まで保有し続けれると損失を被る債券ということです。
ですから満期になる前にそれよりも深いマイナス利回りで誰かに売却しないと利益が出ません。もちろんその債券を買い取った人も誰かにさらに深いマイナス利回りで売却しないと損失が出るため、必ず最後には誰かが損をする状態ということです。
なぜこのような債券を買う人がいるのかというとちゃんとより深いマイナス利回りで買ってくれる人がいるためです。
一体だれがそんな債券を買うのか?それは中央銀行です。
中央銀行が買ってくれるからこそ市場は安心してマイナス利回りの債券を買い進むことが出来るのです。
また、債券の利回りは経済成長率やインフレで決まるというのが教科書的な理論ですが、実体は異なります。
日銀のYCC(イールドカーブコントロール)を見れば明らかなように、国債発行残高が有限の下で、中央銀行は無制限に国債を買うことが出来るため、現実には中央銀行がその気になれば如何様な金利水準、イールドカーブも実現することが出来ます。
しかしインフレと経済が成長するのであれば中央銀行もマイナス利回りでの国債買い入れ、量的緩和を止める可能性があり、そうなればキャピタルゲインしか当てにできないマイナス利回りの債券は厳しいリターンとなるでしょう。