2020年の相場見通し

銘柄分析・市場分析
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明けましておめでとうございます。

2020年の相場見通しは2019年とあまり変わりませんが、既に株価がかなりのハイペースで上昇したことでバリュエーションが高い状態なので、株については2020年の期待リターンは低いと考えています。

2020年の想定は下記の通りです。
①為替  円高ドル安
②株   まだ天井ではないが今年はあまり儲からない
③その他 米国優位から新興国へ転換

①為替 円高ドル安

去年の記事「実質実効為替レートから見るドル高円安の賞味期限」に詳しく書いてありますが、そもそも水準として米ドルは高く、日本円は安いです。どういう意味かというと、これまで為替レートがドル高に振れ、なおかつ米国のインフレ率も高いので米国の物価が実質的に高くなったということです。実質的に通貨が高くなると、外国人は米国の物を買わなくなり、逆に米国人は外国の物ばかり買うようになり、米国の経済成長率にマイナスの影響を与えます。

次に金融政策余地の格差です。米国連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利は1.5%-1.75%でまだ利下げ余地がある一方、日銀、欧州中央銀行(ECB)は既にゼロ~マイナス金利で利下げ余地がありません。利下げ余地が大きいということは通貨の下落余地もまた大きいということです。

以上のように、米ドルは水準が高く、金融政策余地も大きいという状況下で今後景気が減速していくわけですから、金融緩和競争となった時に他の通貨よりも安くなりやすいです。特に日本円は水準が安く、金融緩和余地が小さいため相対的に通貨が強くなりやすく、ドル円のペアでは円高ドル安になりやすいでしょう。

②株 まだ天井ではないが今年はあまり儲からない

次に株についてです。まず現状認識として実体経済は底堅いです。債務残高が積み上がっているものの、FRBの利下げもあって債務負担はまだクラッシュするレベルではなく、景気拡大局面は続くでしょう。

しかしEPS成長率よりもハイペースに株価が上昇してきたためバリュエーションであるPERはかなり高くなっています。 下記のチャートはS&P500のフォワードPER(翌12か月利益に対する株価の倍率)ですが、トランプ大統領による法人減税への期待があった2017年後半と同レベルのライン上にあります、法人減税が無いにもかかわらずです。つまり将来の株価上昇分まで先取りしてしまっている状況です。

また、下記は市場が織り込む米国政策金利(FFレート)の予想ですが、年前半は1.5%-1.75%と現状維持ですが、年後半には1回くらいの利下げがあると50%以上の確率で期待されています

つまりそれだけ金利が低い状態なので、FRBがこの利下げ期待に応えなければ年後半には金融引き締め効果がかかり、株式も現在の非常に高いバリュエーションを維持するのは難しいのではないかと思います。

私のツイッターでEPS成長率とPERを組み合わせて2020年のリターンを予測していますが、EPSが9%成長してもPERが19倍から18倍に1倍低下すればリターンは+2%とほぼ横ばいなので、2020年はあまり儲からないと想定しています。私は基本的に常に全力投資が長期的には儲かると考えてますが、このような局面で工夫するなら投資資金はキャッシュで貯めて置き、下落局面を待ってから投資すると良いでしょう。

③その他 米国優位から新興国へ転換

①と②でドル安、米株はバリュエーションが高い、実体経済は底堅いと説明してきましたが、この状況下では新興国が選好されるのではないかと考えています。

まず実体経済が底堅いので新興国を叩き売って米国に避難する理由がありません。次にドル安は新興国が抱えるドル建て債務負担を軽減し、ドル建ての輸入がし易くなるため企業活動が活発になります。そして何より新興国のバリュエーションはリセッション(景気後退)が来るという懸念でかなり安くなっています(しかしFRBの利下げでリセッションは先送りされています)。

下記のチャートは地域別のPER比較ですが米国と新興国のPERギャップが過去に比べてかなり大きいことが分かると思います。

また下記チャートの白線は新興国債券に上乗せされるスプレッド(上乗せ金利)ですが、2018年末の急落時に最もスプレッドは大きくなり(新興国債券は売られ、先進国債券が買われる)、その後ボックス圏でしたが足元でスプレッド縮小し、既に新興国債券が相対的に買われ始めていることが分かります。

以上、予想はあまり変わってないのですが、円高ドル安、株は上昇しすぎたのであまり儲からない、他に言うとすると新興国転換、を想定しています。

そんな私は実際に米国株に投資しながら、円買いドル売りで為替ヘッジしつつ、新規投資の資金は投資せずに取っておいてあります。

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